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データレイク設計 — Redshift・Athena・Lake Formation

データレイクとDWHの使い分け、Lake Formationによる列/行レベル権限管理、Redshift Spectrumとの連携を解説します。

最終更新: 2026-07-28 カテゴリ: データストレージ・データベース設計

組織全体のデータ分析基盤を構築する上で中心となるのがデータレイクという考え方です。 本記事では、S3を中心としたデータレイクと、それを支える分析サービスを整理します。

SAA レベル:基礎概念

データレイクとDWHの違い

項目データレイク(S3)データウェアハウス(Redshift)
データ形式構造化・半構造化・非構造化を問わず生データのまま保存スキーマが定義された構造化データ
コスト保存コストが低い演算リソースを含むためやや高コスト
主な用途生データの一元保管、探索的分析高速な集計・BIツール連携

SAA 試験のポイント

「まず全データをそのままの形でS3に貯めておき、必要に応じて加工・分析する」というのがデータレイクの考え方です。Redshiftのような構造化されたDWHとは異なり、**スキーマオンリード(読み取り時にスキーマを適用する)**という柔軟性が特徴です。

Amazon Athenaの基本

  • S3上のデータに対して、テーブルを作成せずに直接SQLクエリを実行できるサーバーレスクエリサービス
  • クエリでスキャンしたデータ量に応じた従量課金

SAP レベル:高度な設計シナリオ

Lake Formationによる列/行レベル権限管理

SAP 試験のポイント

複数の部門がデータレイクを共有する組織では、単純なS3バケットポリシーだけではきめ細かいアクセス制御が困難です。AWS Lake Formationを使うと、テーブルの**列単位・行単位(Row-level Security)**でのアクセス許可を一元的に定義でき、「営業部門は顧客テーブルの氏名・連絡先は見られるが、与信情報の列は見られない」といった詳細な統制が可能になります。

Lake Formation(データカタログ・権限管理) ├── 列レベル権限: 与信情報列は経理部門のみ ├── 行レベル権限: 各支社は自支社データのみ └── S3データレイクへのアクセスはLake Formation経由で統制

Redshift Spectrumとの連携

SAP 試験のポイント

Redshift Spectrumを使うと、Redshiftクラスター内に取り込んでいないS3上の生データに対しても、Redshiftから直接SQLクエリを実行できます。これにより、「頻繁に使う集計済みデータはRedshiftクラスター内に、大量の生ログデータはS3に置いたまま」というコストと性能を両立したハイブリッド構成が実現できます。

観点Redshiftクラスター内データRedshift Spectrum(S3外部テーブル)
クエリ速度高速(列指向ストレージに最適化)やや低速(S3からのスキャンが発生)
ストレージコストクラスターのストレージコストがかかるS3の低コストストレージのまま

設計上の落とし穴

「すべてのデータをRedshiftクラスターに取り込むべき」という判断は、大量の生ログデータなど、アクセス頻度が低いデータに対してはコスト効率が悪くなります。SAPレベルでは、アクセス頻度・クエリ性能要件に応じて、Redshiftクラスター内データとRedshift Spectrum経由のS3データを使い分ける階層設計が問われます。

データカタログの一元管理(AWS Glue Data Catalog)

  • Athena、Redshift Spectrum、EMR、Lake Formationはすべて共通のGlue Data Catalogを参照する
  • Glue Crawlerを使い、S3上のデータのスキーマを自動検出してカタログに登録することで、分析サービス間でのメタデータの一貫性を保てる

まとめ

  • SAA: データレイクとDWHの違い、Athenaのサーバーレスクエリの基本を理解する。
  • SAP: Lake Formationによる列/行レベルのきめ細かい権限管理、Redshift Spectrumによるコストと性能を両立したハイブリッド構成の設計ができる。

次は **EFS/FSx(用途別ファイルストレージ)**を見ていきましょう。