サーバーレス活用によるコスト削減 — Lambda・Aurora Serverless・Fargate Spot
従量課金による運用コスト削減と、間欠的ワークロードへのサーバーレス適用判断を解説します。
サーバーレスの本質的なメリットの一つが、アイドル時間にコストが発生しない従量課金モデルです。 本記事では、コスト最適化の観点からサーバーレスサービスの活用判断を整理します。
SAA レベル:基礎概念
サーバーレスの基本的なコストモデル
| サービス | 課金の基本単位 |
|---|---|
| Lambda | 実行時間 × メモリ量、リクエスト数 |
| Aurora Serverless v2 | 使用したコンピューティングキャパシティ(ACU)に応じた秒単位課金 |
| Fargate | タスクが起動している時間 × vCPU/メモリ量 |
SAA 試験のポイント
サーバーレスサービスは、アイドル状態(何も処理していない時間)ではコストが発生しない(Aurora Serverless v2は最小キャパシティの維持コストは発生する場合がある点に注意)という特性が、常時起動するEC2/RDSとの根本的なコスト構造の違いです。
SAP レベル:高度な設計シナリオ
間欠的ワークロードへの適用判断
SAP 試験のポイント
サーバーレスがコスト効率で優位に立つのは、利用率が低い、または間欠的(バースト的)なワークロードです。逆に、常時高い使用率で稼働し続けるワークロードでは、Lambdaの実行時間課金やFargateのタスク課金よりも、適切にサイジングされたEC2 + Savings Plansの方が割安になるケースが多くあります。SAPでは「1日のうち数時間しか使われない社内向け管理画面のバックエンド」のような間欠的ワークロードにサーバーレスを推奨し、「24時間365日高負荷で稼働するAPIサーバー」には慎重な判断(EC2/Fargateの通常起動+Savings Plansとの比較)を促す設問が頻出します。
| ワークロード特性 | 推奨されるアプローチ |
|---|---|
| 間欠的・低頻度・予測困難 | Lambda / Fargate(オンデマンド起動) |
| 常時高負荷・予測可能 | EC2 + Savings Plans、または適切にサイジングされたコンテナ常時稼働 |
Aurora Serverless v2の活用場面
SAP 試験のポイント
Aurora Serverless v2は、負荷に応じて秒単位でコンピューティングキャパシティ(ACU)を自動的にスケールします。開発・検証環境(夜間・週末はほぼ無負荷)や、予測が難しい新規サービスの立ち上げ期(トラフィックの急増・急減に対応したいがまだ利用パターンが見えていない)といった場面で、手動でのキャパシティプランニングの手間とオーバープロビジョニングのコストを削減できます。
設計上の落とし穴
「Aurora Serverlessだから常にコスト削減になる」という判断は誤りです。利用パターンが安定していて予測可能な本番ワークロードでは、プロビジョンド型のAuroraインスタンス(リザーブドインスタンス割引適用)の方が、Serverlessの秒単位課金よりトータルコストが低くなるケースが多いという逆転現象がSAPで問われることがあります。
Fargate Spotとの組み合わせ
- 前記事で触れた通り、ステートレスで中断耐性のあるコンテナワークロード(バッチ処理、非同期ワーカー等)には、Fargate Spotを組み合わせることでさらなるコスト削減が可能
- CI/CDパイプラインのビルド・テスト実行環境など、失敗しても再実行可能なジョブに特に適する
コスト最適化の総合判断フレームワーク
- ワークロードの利用率パターン(常時高負荷か、間欠的か)を把握する
- 間欠的であればサーバーレス(Lambda/Fargate/Aurora Serverless)を優先検討
- 常時高負荷であれば、適切なサイジング後にSavings Plans/RIとの組み合わせを検討
- 中断耐性があればSpot/Fargate Spotの活用を追加検討
まとめ
- SAA: サーバーレスサービスの従量課金モデルの基本を理解する。
- SAP: ワークロードの利用率パターンに応じたサーバーレスとプロビジョンド型の使い分け、Aurora Serverless v2の適用場面の判断ができる。
ここまでで 2-5 コスト効率の高い設計 の全3記事、そして ドメイン2:新規ソリューションの設計 の全体(24記事)が完了しました。次は ドメイン3:既存ソリューションの継続的改善 に進みましょうか?