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コンピューティング選定 — On-Demand・Spot・Savings Plansの組み合わせ

ワークロード特性に応じた購入オプションの組み合わせ設計と、Spotインスタンスの中断対策設計を解説します。

最終更新: 2026-07-28 カテゴリ: コスト効率の高い設計

新規ソリューション設計の段階から、コンピューティングリソースの購入戦略を組み込むことが コスト効率の良いアーキテクチャの鍵になります。本記事ではその設計判断を整理します。

SAA レベル:基礎概念

購入オプションの基本比較

オプション特徴適する場面
On-Demand従量課金、コミットメントなし短期的・予測困難なワークロード
Spot最大90%割引、AWSの都合で中断される可能性あり中断耐性のあるワークロード(バッチ処理等)
Savings Plans / RI長期コミットで割引予測可能な定常ワークロード

SAA 試験のポイント

Spotインスタンスは、AWSがそのキャパシティを他の用途で必要とした際に2分前の通知で中断される可能性があります。この特性上、「いつ中断されても業務影響が少ないワークロード」にのみ適する、という前提がSAAで問われます。

SAP レベル:高度な設計シナリオ

ワークロード特性に応じた組み合わせ設計

SAP 試験のポイント

SAPでは、単一の購入オプションに依存するのではなく、ワークロードのベースライン需要とピーク需要を切り分けて、異なる購入オプションを組み合わせる設計が問われます。「常時必要な最低限のキャパシティ(ベースライン)」はSavings Plans/RIでカバーし、「変動する需要のピーク部分」はSpotやOn-Demandで補う、という設計が最もコスト効率の良いパターンとして頻出します。

需要曲線 ┌───────────────────────── │ ╱╲ ← ピーク需要(Spot / On-Demand) │ ╱ ╲ │─────────╱────╲───────── ← ベースライン需要(Savings Plans/RI) └─────────────────────────

Spotインスタンスの中断対策設計

SAP 試験のポイント

Spotインスタンスの中断リスクを最小化するには、複数のインスタンスタイプ・複数のAZに分散させる「キャパシティの多様化」が有効です(2-1のAuto Scaling記事の混合インスタンスポリシーとも関連)。さらに、Spot中断通知(2分前の警告)をCloudWatch Events/EventBridgeで検知し、グレースフルシャットダウン(処理中のタスクの安全な退避)を自動化する設計がSAPレベルで問われます。

EventBridge(Spot中断通知を検知) Lambda(グレースフルシャットダウン処理をトリガー) ├── 処理中のタスクをチェックポイント保存 └── ロードバランサーから対象インスタンスを切り離し

設計上の落とし穴

「Spotインスタンスは安いから、本番のクリティカルなワークロードにもできるだけ使うべき」という判断は危険です。ステートフルで中断に弱い処理(長時間の単一トランザクション処理等)にSpotを使うと、中断によるデータ不整合や処理のやり直しコストが、コスト削減効果を上回る可能性があります。ステートレスかつ再実行可能な設計(バッチ処理、CI/CDのビルドジョブ等)に限定して適用するのがSAPの判断基準です。

Fargate Spotの活用

  • ECS/EKSのコンテナワークロードにおいても、Fargate Spotを使うことで、サーバーレスの運用簡便性を保ちながらコスト削減が可能
  • ステートレスなAPIサーバーやバッチ処理ジョブに、Fargate Spotとオンデマンドを混在させる設計が一般的

まとめ

  • SAA: On-Demand/Spot/Savings Plansの基本的な特性と適する場面を理解する。
  • SAP: ベースライン+バーストの組み合わせ設計、Spot中断通知を活用したグレースフルシャットダウンの自動化ができる。

次は ストレージ階層の最適化を見ていきましょう。