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AWS DataSync と Transfer Family — ファイルデータ移行の自動化

オンプレミスとS3間の大容量データ転送、SFTP/FTPS/FTP互換のマネージド化を解説します。

最終更新: 2026-07-28 カテゴリ: サーバー・データ移行

サーバーやデータベースだけでなく、ファイルストレージ上の大量データの移行も 移行プロジェクトの重要な要素です。本記事ではAWS DataSyncAWS Transfer Familyを解説します。

SAA レベル:基礎概念

AWS DataSyncの基本

  • オンプレミスのファイルサーバー(NFS、SMB)とAWS(S3、EFS、FSx)の間で、大容量データを高速かつ安全に転送するマネージドサービス
  • 転送後のデータ整合性検証(チェックサム)を自動的に行う

SAA 試験のポイント

DataSyncは、単純なファイルコピーツールと異なり、**帯域幅の制御、暗号化、増分転送(変更されたファイルのみ再転送)**をサポートします。定期的な同期ジョブとしてスケジュール実行できる点もSAAで問われます。

AWS Transfer Familyの基本

  • SFTP、FTPS、FTPプロトコルをそのまま使い、外部パートナー等とのファイルやり取りをS3/EFSと連携させるマネージドサービス
  • 既存のSFTP/FTPクライアントやワークフローを変更せずに、バックエンドをAWSへ移行できる

SAP レベル:高度な設計シナリオ

大容量データ移行におけるDataSyncの活用

SAP 試験のポイント

数十TB〜数百TB規模のファイルサーバーを移行する場合、DataSyncは帯域幅スロットリングを設定し、業務時間中のネットワーク帯域を圧迫しないよう転送速度を制御できます。SAPレベルでは、「初回の大量データ転送はオフピーク時間帯に実施し、以降は変更差分のみを定期的に同期する」という段階的なデータ移行計画が問われます。ネットワーク帯域が極めて限られる場合は、Snowball等のオフライン転送との組み合わせ(4-2の次記事)も検討されます。

Phase 1: 初回フル転送(DataSync、帯域制御しつつオフピーク時間帯に実施) Phase 2: 差分同期(DataSync、定期スケジュール実行) Phase 3: カットオーバー時の最終差分同期 → アプリケーションの参照先をS3/EFSへ切り替え

Transfer Familyによる既存ワークフローの移行

SAP 試験のポイント

取引先とのファイル連携が長年SFTP/FTPで運用されているケースは多く、この連携方式自体を急に変更することは現実的でない場合があります。SAPレベルでは、Transfer Familyを使い、取引先側のクライアント設定を一切変更せずに、バックエンドのストレージだけをオンプレミスからS3へ移行するという、影響範囲を最小化した移行アプローチが問われます。

移行前: 取引先 → SFTP → オンプレミスファイルサーバー 移行後: 取引先 → SFTP(同じエンドポイント感覚) → Transfer Family → S3 (取引先側の接続方法・認証情報は変更不要)

設計上の落とし穴

「ファイル移行なので単純にS3のAPIでコピーすればよい」という判断は、大容量・大量ファイル数のケースでは、転送の信頼性(途中断時の再開)やデータ整合性検証の欠如というリスクを抱えます。SAPレベルでは、単純なコピーコマンドではなく、DataSyncのような整合性検証・再開機能を持つ専用ツールを使うことの重要性が問われます。

Transfer Familyの認証統合

  • Transfer Familyは、Active Directoryやカスタム認証(Lambdaによる認証ロジック)と統合でき、既存の認証基盤を活かしたまま移行できる
  • IPアロウリストやVPCエンドポイント経由でのアクセス制限など、移行後もセキュリティレベルを維持・向上させる設計が可能

まとめ

  • SAA: DataSyncが大容量データの整合性を保った転送を担い、Transfer FamilyがSFTP/FTP互換のマネージド化を実現することを理解する。
  • SAP: 帯域制御を伴う段階的なデータ移行計画、既存ワークフローを変更しないTransfer Familyの活用ができる。

次は **Snow Family(Snowball/Snowcone)**を見ていきましょう。